有機的建築アーカイブ

有機的建築アーカイブについて

世界の建築界に多大な影響を与えたアメリカの巨匠、フランク・ロイド・ライトは、大地に根ざし環境に呼応する有機的建築を提唱し、実践しました。
日本に遺された彼の作品には、自然と共生する日本文化への敬意と洞察が息づいています。
建築が大量生産の製品となり、各々の気候、風土、生活にあわせて建物を建てるという考え方が失われつつある現在、彼の思想や作品からは、
現代社会が抱える様々な問題への、解決の糸口を見出すことができるのではないでしょうか。
私たち有機的建築アーカイブは、ライトとその弟子たちに関する資料の蒐集・研究や、見学・講演などを通して、
有機的建築の思想とライトが共鳴した日本人の精神を次世代へ伝え、これからの建築文化を育むための一助になりたいと考えています。

※Archives of Organic Architecture Japan(有機的建築アーカイブ)とは?

日本の有機的建築に関する資料を収集・保存し、広く社会に活用することを目的とした特定非営利活動法人です。
この法人は、フランク・ロイド・ライトの建築思想や作品に関する資料を中心に扱っています。 ライトの建築思想や作品に関する資料を集め、
それらを保存し、広く社会に活用する活動を行っています。この活動を通じて、文化の振興に寄与することを目指しています。展示やイベント、講演などを通じて、ライトの建築理念を次世代に伝えることを目的としています。

メンバー紹介

理 事
  • 遠藤 現(えんどう げん)代表理事
    一級建築士事務所U-HOUSE主宰、遠藤新の孫
  • 武井 雅子(たけい まさこ) 副代表理事
    株式会社ヨネヤマ取締役、藤新設計加地邸オーナー
  • 八尾 和美(やお かずみ)副代表理事
    遠藤設計住宅の施主、関西地区理
  • 関 愛(せきざわ あい)
    東京理科大学大学院国際火災科学研究科教授、遠藤新の孫
  • 平良 勝(たいら まさる)
    有限会社平良建設代表、早稲田大学大学院吉阪研究室(都市計画)にて吉坂隆正氏に師事、沖縄地区理事
  • 萩原 淑子(はぎわら よしこ)
    ヴァイオリニスト、ザルツブルク在住、遠藤新設計萩原邸オーナー
  • 松平 圭一(まつだいら けいいち)
    東京電機大学理工学部教授、遠藤楽設計住宅の施主
監 事
  • 有賀 寛(あるが ひろし)
    府中カントリークラブ コース管理課職員、元自由学園明日館館長
顧 問
  • 前野 まさる
    東京藝術大学名誉教授、元日本イコモス国内委員会委員長
  • 南迫 哲也(みなみせこ てつや)
    アトリエみなみせこ主宰、工学院大学名誉教授
相談役
  • 一ノ宮 賢治(いちのみや けんじ)
    株式会社ISS総合計画事務所主宰、元タリアセンアプレンティス
  • 野村 一郎(のむらいちろう)
    株式会社NAA設計主宰、元タリアセンアプレンティス
名誉理事
  • 井上 祐一(いのうえ ゆういち)
    一級建築士事務所アーキラ所属、遠藤新研究者
  • 磯矢 亮介(いそや りょうすけ)
    磯矢建築事務所主宰、元タリアセンアプレンティス
  • 小川 信子(おがわ のぶこ)
    日本女子大学名誉教授、元土浦亀城建築事務所所員
  • 正宗 量子(まさむね かずこ)
    正宗量子一級建築士事務所主宰、元日本女子大学非常勤講師

建築家フランク・ロイド・ライトヴァンムート作品集

1910年に出版された建築家フランク・ロイド・ライトの作品集から
日本の浮世絵の美しさから構図を学んだパース画を厳選して展示をしています。

SELECTED PRINTS FROM WASMUTH PORTFOLIO

【展覧会要旨】

アメリカの近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライト(1867-1959)。 代表作である「落水荘(カウフマン邸)」(アメリカ・ペンシルヴァニア州)や「グッゲンハイム美術館」(アメリカ・ニューヨーク)は世界的に有名ですが、日本でも1923年竣工の「帝国ホテル旧本館」(東京・日比谷、現在は犬山市・明治村に一部移築)の傑作のほか、「自由学園明日館」(東京・西池袋)、「山邑太郎左衛門邸(現・ヨドコウ迎賓館)」(兵庫・芦屋市)などがあり、浮世絵・日本美術の熱烈な愛好家としての顔も持つ、日本とゆかりの深い建築家でもあります。

数々の美しい住宅作品で知られるライトは、自然と人間が共生する「有機的建築」を提唱し、晩年はユートピア建築を計画して社会改革の理想をかかげました。常に時代の先を行く彼の思想は、当時は世間から理解を得られないこともあったようです。

2012年、5万点以上におよぶ図面他資料の管理が、財団からニューヨーク近代美術館とコロンビア大学エイヴリー建築美術図書館に移管され、学術調査研究が進むとともに、2017年には、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で生誕150周年展「Frank LIoyd Wright, Unpacking the Archive」が開催され、大きな話題をよびました。このたび、その両者の全面的な協力をいただき、約26年ぶりとなる日本での本格的な回顧展を開催する運びとなりました。
これまで日本では出版物を通して限定的にしか見ることのできなかった、その精級で華麗な図面・建築 ドローイングの数々をご堪能いただきます。監修のオオシマ氏はトランスナショナルな視点から建築史研究に取り組んでおり、本企画においても、先駆的なグローバルアーキテクトとしてのライト像を提示します。

デザインにたずさわるすべての現代人がなんらかの影響を受けているといっても過言ではない、世界的な建築家の偉大で革新的な仕事を、いま再評価します。